小規模企業共済のメリットと注意点
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個人事業主の方は廃業をしても退職金はありません。
小規模企業等の経営者や役員の方も退職時に退職金がない場合があります。
退職金なしで迎える退職後の生活について不安に思われる方もいらっしゃると思います。
そこで、オススメなのが、小規模企業共済という個人事業主、小規模企業の経営者向けの退職金制度です。
ここでは小規模企業共済のメリットと注意点について簡単にお話ししてみたいと思います。
さらに、小規模企業共済に加入した後に、任意解約に踏み切る前の対応策についても お話ししてみたいと思います。
(この小規模企業共済は、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しています。)
小規模企業共済のメリット
- 掛金は全額所得控除できます。
掛金は、月1,000円~7万円までの範囲内で決めることができます。
掛金を納付することで、確定申告のときに小規模企業共済等掛金控除となり、全額所得控除できます。 - 退職や廃業など一定の共済事由に該当するときに、共済金を一括で受け取ると退職所得扱いとなります。
- 退職や廃業など一定の共済事由に該当するときに、共済金を分割で受け取ると公的年金等の雑所得扱いとなります。
- 事業資金等が必要となった場合には、掛金の範囲内で貸付けを受けることができます。
小規模企業共済の注意点
ただし、注意する点もあります。
・加入資格があります。
・共済金A、共済金Bは、掛金納付月数が6か月未満の場合は、受け取れず、掛捨てになります。
・準共済金、解約手当金は、 掛金納付月数が12か月未満の場合は、受け取れず、掛捨てになります。
・任意解約した場合に受け取れる解約手当金は、掛金納付月数が240か月(20年)未満は、掛金合計額を下回ります。
注意点さえクリアして活用すればメリットが多い制度です。
小規模企業共済の任意解約に踏み切る前の対応策
小規模企業共済は加入後、掛金の納付期間が長いので、掛金の納付が難しくなることもあると思います。
または、急に資金が必要となり任意解約しようとするといったこともあるかと思います。
小規模企業共済は、うまく活用すればメリットが多いです。
しかし、特に注意しないといけないのは、任意解約をする場合に受け取る解約手当金です。
この解約手当金は、掛金納付月数が240か月(20年)未満の場合は、掛金合計額を下回ります。
つまり、元本割れとなってしまいます。
加入時は240か月(20年)掛金を納付できると想定して加入されると思いますが、実際、月日が経つに連れ、それが難しくなることもあります。
しかし、任意解約しようとすると元本割れになってしまう。
さらに解約の時65歳未満の人が任意解約をした場合は、受け取った解約金は、一時所得扱いとなります。
以上のような理由から、できるだけ小規模企業共済を解約することを避ける必要があります。
まず、掛金を納付するのが大変な時には、掛金を減額します。
事業資金等が必要な時には、納付した掛金の範囲内で事業資金等の貸付けを受けることができます。
この貸付制度を利用しましょう。
小規模企業共済制度の詳細は、中小機構のホームページをご覧ください。
https://www.smrj.go.jp/
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